SOAPという考え方〜理学療法士はどのようにリハビリ内容を考えているのか〜




理学療法士は、1人の患者様に対して必ず評価を行います。

患者に対して治療を行う前に問診をして、

身体を視たり、触ったり、動かしたりしながら

得た結果をまとめて、

考えられる問題点を抽出し

治療プログラムを考えていきます。

プログラムも治療の経過に伴い

状態に合わせて変化させていきます。

そして理学療法士は情報をまとめる方法として、

SOAPという方法を用いてカルテに記載します。

では、そのSOAPとは一体何でしょう。

SOAP

SOAPとは、ある文字の頭文字を並べて出来ています。

SOAPは医療現場では

医師

看護師

理学療法士

などがカルテに記載する場合にしようする方法です。

それでは1つずつ説明していきます。

S(主観的情報)

SとはSubjectiveといって主観的情報です。

主観的情報とは患者様本人が感じているものや話してもらった内容になります。

例えば、肩の痛みにより来院した場合

本人の訴えとして

1ヶ月前から上にあるものを

取ろうとして腕を上げると肩が痛むんです。

など本人が感じている状態のことを指します。

O(客観的情報)

OとはObjeciveといって客観的情報です。

客観的情報とは、理学療法士が視る触る動かすなどして

得た情報の事になります。

先程の肩が痛い方の場合、

痛みが出る動作を視たり

あざなど見た目の変化がないか

実際に視ることや

痛みの出る部位や組織の硬さ、

圧痛などを確認するために

身体を触ることや

実際に理学療法士が痛みの出る腕そのもの自体を

様々な方法へ動かしたり、

本人に動かしてもらったり

抵抗をかけた状態で動かしたり

身体を動かすことなどにより

得られる可動域や筋力、痛みなどの

客観的情報のことを指します。

A(評価)

AとはAssessmentといって評価です。

評価は、S(主観的情報)とO(客観的情報)、

そして画像(レントゲンやCTやMRI)から

痛みの原因や腕が上がらない理由を

解剖学・運動学・生理学などを考慮し

身体で起きていることを考察し

仮説を立てることです。

P(プラン)

PとはPlanといってプラン(治療方法)です。

SとOと画像などを考慮し、Aの評価で考えられる問題点から

治療方法を組み立てていきます。

SOAPの例

例えば先程の腕を挙げた際に痛みの出る方の場合、

S(主観的情報)

1ヶ月前から腕を挙げた時に痛みが出る

O(客観的情報)

肩関節の屈曲可動域100°で

肩甲骨と脊柱の間にある筋肉に硬さ、圧痛など

A(評価)

SとOから肩甲骨の上方回旋が起こらないことによる伸長時痛と仮説

P(プラン)

肩甲骨と脊柱の間にある菱形筋の徒手マッサージや

肩甲骨のモビライゼーション

肩関節の関節可動域訓練

肩関節の筋力増強訓練

自主トレーニング指導

などプランを作成します。

まとめ

実際に行う場合ではもっと細かく評価を行いますが

大まかにはこのような流れとなっています。

理学療法士はこのように情報をまとめ

一人ひとりの状態に合わせた

最善の治療を提供できるように取り組んでいます。

実際にリハビリを受けている方などは

担当の理学療法士の方に

なぜこの治療を行っているのかなど

考えを聞いてみると自分が行っている

治療をより納得して取り組むことが出来るかもしれませんよ。

最後まで読んでいただきありがとうございました!!




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ABOUTこの記事をかいた人

現在、一般病院勤務の理学療法士。 元テニスインストラクターをしており、好きなことを仕事にするも怪我でテニスが出来なくなる生徒を目の前にして、自分自身も怪我でテニスができなかったことを思い出す。やりたいことができなくなった人のために、またやりたいことをするためのお手伝いができる仕事はないかと探し、再びリハビリテーションの専門学校へ入学。卒業後、理学療法士となる。 自分が今まで得てきた知識を誰かの役に立てるためブログを執筆中。